"Jacaranda and Black Capped Chickadee" by Sense.atelier
先日岡山で活動するアーティスト@Sence.atelier くんに素敵なイラストをプレゼントしていただきました♪
I got a fantastic illustration drawn by @sense.atelier !! Thank you for accepting my request! ✨🥰🥰🥰 私のリクエストに沿って素敵なイラストを書いていただきました♥ありがとう♥ https://t.co/mbXfeUmGve pic.twitter.com/oqo09y6JUf
— Jijiart (@Jijiart_jp) June 9, 2020
わたしがアメリカコガラとジャガランタの花が好きということで、まるっこいコガラちゃんと紫色の花と青空と私が愛用していた赤いキーボードを書いてくれています♪
更にこのイラストを制作するまでの過程を記録した動画を作ってくれて、しかも私の曲をBGMとして作ってくれました♪ 感動♪
タイムラプスの様子で、どんな風に作品が出来上っていくか見れるので面白い♪
本当に素敵なイラストありがとう♪
【洞窟の比喩】~プラトンの著書『国家』より
前回はギリシャの三大哲学者、プラトンについて書いたので、今回はプラトンの著書『国家』に出てくる洞窟の比喩について書いていきたいと思います。
このプラトンの著書『国家』は日本語の本では上下巻の構成となっています。
このプラトンの『国家』という本にはどういった内容のことが書かれているのかわかりやすく書かれたものを引用をしたいと思います。
『国家』はプラトンの代表作で、全10巻で成り立っています。
副題には「正義について」としてあり、イデア論を軸に「正義」というテーマで国家論を展開しています。
『国家』は、師匠であるソクラテスがいろいろな人と問答を繰り返すという形で描き進められていきます。
おおまかな要約としては
- 王は哲学者がならなければならない
- 現在、すでに王であるものが哲学をする
- 政治権力と哲学が一体にならなければならない
というものです。
哲学者になるためには「善のイデア」を認識することだとしています。
『国家』はプラトンの師であるソクラテスが各地で様々な人々と対話をする様子を弟子のプラトンが記した対話譚のうちの一つです。その中で用いられる洞窟の比喩がとても有名な比喩なのですが、さすがに文字だけだとわかりづらい内容なので下にわかりやすい動画を貼りたいと思います。(字幕をつけてご覧ください。)
Plato’s Allegory of the Cave - Alex Gendler
というのが洞窟の比喩のお話です。これを見たうえでさらに理解しやすい文章を書いてらっしゃる方を見つけたので、そちらも下に引用したいと思います。
「洞窟の比喩」で常識からの転換を示す
『国家』の中に書かれる「洞窟の中の囚人たち」の比喩は、哲学史上もっとも有名な比喩とされています。プラトンは、学ぼうとしない人々を「洞窟の奥に繋がれて、影絵しか見ることができない囚人」とソクラテスに例えさせます。
囚人たちは、洞窟の後方の壁しか見ることができないように縛られています。囚人の背後には火が灯され、その後ろにある通路に彫像や人形が運ばれてゆきます。これらの物体の影は、囚人たちの見ている壁に投影され、囚人たちはその影を実在だと認識します。
縄を解かれた囚人は、振り向いて人形そのものや火を目にし、そのとき洞窟からの上昇が始まります。解放された囚人は、光の世界に連れ出され、見慣れない世界に圧倒されますが、徐々に太陽そのものを見分けることができるようになります。これが善のイデアそのものの知であるとするのです。
この比喩は「常識」からの転換を示し、また、真実を認識するには段階を追わなければならず、「現実の世界は影絵である」ということを理解するには長い訓練が必要であることを示しています。
洞窟の比喩は哲学史上とても有名な比喩といわれており
洞窟の中の囚人たち = 学ぼうとしない人
という比喩となっています。
さすがは哲学の祖、ソクラテス。ガツンと来ます。
私はこれを自分なりに考えたときに感覚的に似てるなと思ったのが、住み慣れた環境から新しい環境に移った時の感覚。
住み慣れた環境、つまり生まれ育った町(私の場合は小さな田舎町)が自分の中の世界のすべてであり、外に出るまでは本当にこの町の中の常識や価値観しか知らなかった。自分すべてだと思っていた世界(小さな田舎町)の外には、今まで見たこともなかった高層ビルや高度技術で作られていたインフラ、そして行き交う人々の渦などが存在していた。それを囚人の話でいうと「洞窟の外の世界」と例えることができる。
新しい土地になれるのには苦労することもたくさんある。土地勘を覚える必要がある。そして新しい環境で必要なことを覚えなければならない。たとえば、私は地元では電車を使ったことがなかったので、都会に出たら電車に乗る方法を覚えければいけなかった。新しい環境に身を移すと新しい環境に慣れるために不便さを感じながらも、時間をかけて慣れる必要がある。それは誰もが経験したことがあると思う。これが「囚人が太陽の光になれていく過程」と共通するものがある。
人によっては、その場所に慣れなくて、また元の町に戻る人もいる。私は元の町に戻る人を学ぼうとしない人とは思わないし、個人個人の必要性によっては外に出なくてもいい人すらいると思っている。が、本来外の世界を見るべき人々(国のリーダーになりうる人達、特に政を行う職についている人々)には必要なことだと思っている。外の世界を見ようともせずに小さな世界の中しか見ていないような人にはきっと国や大きな組織のリーダーは務まらないだろう。
Photo by Jehyun Sung on Unsplash
洞窟の比喩は、ソクラテスが説いた「無知の知」にも繋がる。どんなにたくさんの経験や知識を得たとしても、やはりこの広い世界では知っていることよりも知らないことの方が多いので、すべて知ったようなふりをするのではなく、知らない世界の存在を認めて、そこから学ぶという姿勢が大事なのだということを教えられている気がします。
たしかに慣れ親しんだ環境から飛び出すには勇気もエネルギーもいる。私がアメリカに来た時もすごく勇気が必要だったし、いざ日本を離れてアメリカに来たばかりの頃は、生活に慣れるまでに本当に苦労したし、3か月で円形脱毛症にもなった。
ある時はホームシックにかかって帰りたいとも思った。だけどこっちでの生活(太陽の光)に慣れるにつれていろんな方々や楽しい出来事にも出会う事が出来た。もちろんいいことばかりではないし辛いときも多いけど、それまで自分の地元(洞窟)では見れなかったものが沢山見れたし色々な体験ができてよかったと思います。
大きな勇気と引き換えに、今まで体験したことがないことを経験し、それらがもし自分の人生を大きく変えるきっかけになるかもしれない。そんなことを考えているとわくわくしてきませんか?
というわけで、今回はプラトンの対話譚『国家』より洞窟の比喩についてのお話でした。
古代ギリシャ三大哲学者 ②プラトン
古代ギリシャの三大哲学者について前回はソクラテスについて書いたので今回はソクラテスの弟子プラトンについて書いていこうと思います。
プラトンはソクラテスの弟子で、のちにアリストテレスの師となる哲学者です。彼の哲学としては認識について説いた「イデア論」や国家の正しい在り方について説いた「国家論」などが有名です。
さらに、彼はアカデメイアという学塾(今でいう学園)を最初に創設した創始者でもあります。そして師であるソクラテスと人々との対話の様子を対話譚として自身の著書に記し、ソクラテスの哲学を後世にまで伝えました。(生前ソクラテスは自身の哲学を記録していなかったためです。)
このプラトンという名前は彼の本名ではありません。本名は「アリストクレス」といいました。彼がプラトンと呼ばれるようになったのはこのような理由からきています。
祖父の名にちなんで「アリストクレス」と命名されたが、体格が立派であったため、 レスリングの師匠であるアルゴスのアリストンに「プラトン」と呼ばれ、以降そのあだ名が定着した。プラトン - Wikipedia
そしてまた余談ですが、彼の表記名はPlatoで日本ではプラトンと呼びますが、カレッジの授業ではプラートと呼ばれていましたので英語圏ではプラート呼ばれていることが一般かもしれません。
といったかんじで、結局プラトンとは?
- 古代ギリシャ三大哲学者のひとり
- ソクラテスの弟子
- アリストテレスの師匠
- ソクラテスの対話譚を著した人
- イデア論を説いた人
- 国家論を説いた人
- アカデメイアを設立した創設者
といった感じの方です。ものすごくざっくり簡単なプラトンについてでした。彼の有名な哲学についてはまた別の記事を以下に貼り付けて詳しく書いていこうと思います。
古代ギリシャ三大哲学者 ①ソクラテス
古代ギリシャの三大哲学者SPA(スパ)
Socrates(ソクラテス)
Plato(プラトン)
Aristotle(アリストテレス)
今日は哲学の創始者でありSPA最初の師に当たるソクラテスについて書いていきたいと思います。
ソクラテスは絶対的な真理という存在をベースとした哲学を展開しています。彼の哲学でいうと「無知の知」、「問答法」などが有名です。
「無知の知」とは?
「無知の知」は、古代ギリシャの哲学者ソクラテスが唱えた概念。 「自分が無知であることを知っている」という意味です。要するに「自分がいかに何もわかっていないかを自覚せよ」ということです。 そうした謙虚な姿勢を持ち続けることが大事だよ、と言っているわけです。
どんなにたくさんのことを学習しても、追求した先にはまだまだ自分が知らないことがたくさんあると気づいた時に「私は自分がまだまだ無知である」ということを自覚している状態。これは物事を追求していくと本当に感じますね。
「無知の知」というのはほんとうに大切で、要するに1つのことを知ったら10くらいわからないことが出てくるわけだから、知れば知るほど、世界の無知の部分がわかってくる。つまり知るほど本当は人は謙虚になる。
— 茂木健一郎 (@kenichiromogi) September 1, 2019
「問答法」とは?
対話を重ね、相手の答えに含まれる矛盾を指摘して相手に無知を自覚させることにより、真理の認識に導く方法。の問答法として知られる。
これは、相手の発言に対して疑問を投げかけ続けることによって、相手の矛盾を炙り出し、追い込んだところで確信を突く!といった最強の論破法でもあります。
なんせ古代ギリシャでは物事の真理を追求することよりも相手をどう理屈で論破するか、しか考えていないやたら弁の立つ「ソフィスト」と呼ばれる人々が存在していました。ソクラテスはその人々を忌み嫌っており、口先だけで政治や物事を語るソフィスト達との対話にて使われたのがこの「問答法」です。
わかりやすい例を書かれている方がいらっしゃったのそのを引用したいとおもいます。
ソクラテスは票を得るために綺麗事ばかりいう政治家達に問答法を使って論破活動をするようになります。
問答法をわかりやすく理解してもらうために、
会話風の例を一つご覧ください!!
政治家:この国民を幸せにするために私は頑張ります!!
ソクラテス:いや、そもそも「幸せって何?」
政治家:幸せとは苦痛がない状況のことだよ!!
ソクラテス:じゃあ「苦痛」って何?
政治家:「苦痛」とは「体と心にストレスを与えるもの」だよ!!
ソクラテス:ストレスを与えるものって例えば何?
政治家:例えば「病気」だったり「貧乏」だったりだよ
ソクラテス:じゃああなたは病人と貧乏人は幸せではないと思うの?
政治家:それは違うよ!
ソクラテス:幸せを幸せじゃなくする原因を持っている人が幸せになれるの?じぁあ例えば、「笛を吹かない笛吹き」は存在する?政治家:存在しないよ!
ソクラテス:あなたが言っていることは矛盾しているよ。あなたは貧乏が幸せじゃなくなる原因だけど貧乏人は幸せになれるといった。でも、笛を持っていない笛吹きは笛吹きになれないと言っている。
政治家:…………………
これが問答法です。
まずは、相手が言っていることに対して、根本的な質問を投げかけつづける。
この例で言うと「そもそも幸せとは?」「苦痛とは?」ですね。それを繰り返すと、相手の主張が矛盾してきます。
そこを逃さずに追求するのが、「問答法」です。
しかし、ソクラテスはこの問答法によって論破したソフィストたちの怒りを買い、彼らの計略によって罪を着せられ、死刑になるという悲しい運命をたどっています。
ソクラテスのこの裁判や教えについての内容はソクラテスの弟子で、彼のあとの哲学史をリードするPlato(プラトン)が著した「ソクラテスの弁明」に記されています。
実際、ソクラテスは彼の哲学に関しての資料はまったく作成しておらず、弟子のプラトンが著した書などによって彼の哲学が後世まで伝わったとされています。このソクラテスの弁明、難しい内容なので、読みやすくはないですが、本当にいい本です。
1冊の本で人生が変わるという経験をされたかたもたくさんいらっしゃると思います。私にとってもそうだったように、この1冊もまた、だれかの物事の視点や考え方に変化を与えるかもしれません。おすすめです。
もし読書が苦手な方は、最近動画で「ソクラテスの弁明」について非常にわかりやすい解説動画をアップしている方の動画を見つけましたので、そちらを視聴していただけたらとおもいます。
【31分解説】ソクラテスの弁明 | プラトン ~一度きりの人生を後悔なく生きる極意~
以上、古代ギリシャの三大哲学者であり、哲学の創始者、「善い生き方」を生涯にわたって追求していたソクラテスについての記事でした。
この記事の内容はまたまたこの方の「ソクラテスの生涯」動画で非常にわかりやすくまとめられています(むしろこっちの方がわかりやすいw)のでぜひともこちらをご覧ください♪
ソクラテスについてもっと掘り下げて知りたい方はこちらの記事もお勧めです♪
古代ギリシャ三大哲学者
古代ギリシャの哲学を作り出した
三大哲学者のSPA(スパ)
Socrates(ソクラテス)
Plato(プラトン)
Aristotle(アリストテレス)
の3名の頭文字をとってSPA(スパ)です。
SPAはVitt教授の教え方で、師弟関係の順番も示しています。
ソクラテス(S)→プラトン(P)→アリストテレス(A)
ソクラテスの弟子=プラトン
プラトンの弟子=アリストテレス
これがSPAです。
彼らは三大哲学者というだけあり、哲学の「原点」といっても過言ではありません。
この3人は哲学史においても欠かせない人物達なのでそれぞれの哲学について記事にしていきたいとおもいます。
哲学のすゝめ - 入門編
1年間でとった哲学の授業で習ったことを残しておこうと思います。
哲学といってもたくさんのクラスがあり、クラスによって学ぶことも様々。
ちなみに私がとった哲学の授業はこの2つです。
- PHILOSOPHY 4
Ancient Philosophy (古代哲学) - PHILOSOPHY 11
Critical Thinking (クリティカルシンキング)
※教授Mr.Vittが作った古代哲学の授業用の動画
そもそも「哲学って何?」と思う方もいると思いますので、入門のためにすごくわかりやすい動画を作られている方がいらっしゃったのでその動画を貼りたいと思います。
この2つの動画だけで哲学の歴史がさらっとわかりますね。
これくらいわかりやすい説明をしもらえるとこれから哲学を学ぶ方も、哲学について知らない方も、この「哲学」という難しい響きも乗り越えて、その先にある哲学的な考え方や知識、教養を深められると思いました。
私は実際「哲学」という言葉の響きは好きなのですが、物事を深く考えるということが苦手なタイプの人間なので、哲学的な考え方を学ぶことに抵抗がありましたが、1年間授業を受けていてアメリカに来て本当に履修してよかった唯一の教科だったので、ぜひ皆さんにも哲学についての知識や考え方をお勧めしたくて書きました。
ということで哲学のすゝめ入門編でした。
次は具体的な事例でも書いていこうかと思います。
記事ではわかりやすさを重視して書いていこうと思いますので、簡単な説明のみになりますが、楽しんでいただけると嬉しいです。
GPV
ようやく今日でSpring Semester 2020が終わるので私がここ1年で2回取った哲学の授業の感想を書いておこうかと思います。
ちなみに私がとった哲学の授業はこの2つです。
- PHILOSOPHY 4
Ancient Philosophy (古代哲学) - PHILOSOPHY 11
Critical Thinking (クリティカルシンキング)
教授は2つともGPV(Great Professor Vitt)ことVitt教授です。
彼は本当にみんなに対して公平で優しくて、外国人で流暢に英語が話せない私に対しても本当に公平に接してくれて、課題の期日を延長してくれたりと、本当にこの厳しい海外の大学生活で何度も彼の言葉に励まされました。
優しい先生ももちろんいるけど、優しくて更にこんなにフェアに接してくれる先生は初めてでした。さすが元弁護士といえるのか、いや、人間性なのか。哲学の先生は人格者が多いと聞いたので、他の先生もいい先生いっぱいいるのかもしれません。もしこれからアメリカの大学で一般科目を履修しないといけない方がいたら哲学の授業をとることをお勧めします。
正直彼のクラスは私の専門のクラスではないし、とりあえず一般過程でとらないといけなかったので選択できるクラスの中から選んだだけでしたが、2回受けてみて本当にいいクラスだったと思えたし、いつか日本に帰ってアメリカで学んだことといえば?と聞かれたら「哲学」と私は言えると思いました。
もちろん一般過程とは言え、エッセイもプロジェクトも試験もあるのでそれなりに大変ではあったけど、先生がいいとここまで負担が軽くなるのかーと目からうろこが落ちるような感覚でした。これぞ教養という内容のことばかりを学べた気がします。
Vitt教授、本当にありがとうございました。
寝ている生徒と写真に写るProfessor. www
次は習った内容や哲学についてわかりやすい記事を書いていきたいと思います♪